春の紅茶と言えばやっぱりニルギリ。クオリティーシーズンの茶葉で美味しいレモンティーを。

Tea Leaves

春の紅茶と言えば、桜の香りやイチゴの香りの紅茶も良いですが、茶葉本来の味わいを楽しむなら、やっぱり「ニルギリ」は欠かせません。

ニルギリはインド南部のアラビア海のそばにあるカッツ(カーツ/ガーツ)山脈の丘陵地帯の地名で、現地の言葉では「ブルーマウンテン(青い山)」という意味があります。
また、12年に一度しか咲かない「ニーラクリンジ」という青い花が山一面を青く染めることでもそう呼ばれる所以だという説もあるようです。

今回はそんな春の紅茶の代表ともいえる「ニルギリ」についてご紹介していきます。
私のイチオシのニルギリなども併せてご紹介しますね♪

ニルギリの旬は真冬

ニルギリのクオリティーシーズン(最旬)は12月~翌年1月・2月の真冬時期なこともあり、「ウィンターティー」と称されることもあります。
ニルギリで有名な茶園はカイルベッタというところなのですが、こちらで収穫されたニルギリには「ウィンターフロスト」という名を冠されるくらいですから、まさにウィンターティーですよね。

じゃあなんで春の紅茶の代表なの?ということですが、最旬は冬でも、冬に摘まれたものが春先に巷に出回ることで、春の紅茶の代表となっているわけです。

季節が真逆の夏場に収穫されるものもある

ニルギリのクオリティーシーズンは真冬ですが、実は7月~8月という真夏に収穫されるものもあるんだそうです。
こちらは季節風の影響により収穫できるものなのだそうで、草花に近い香りが特徴的だとか。

とはいえ、ニルギリは一年を通して安定した気候であるため、収穫も一年を通してされていますし、茶葉の品質も一定していることがほとんど。
そのため、ブレンドティーやアレンジティー向きに加工されることが多いんです。

レモンティーにはニルギリ

春先に出回るものといえば、レモンも欠かせないですよね。
お菓子でも何でも、レモン味のものが3月~4月にかけて多く店頭に並んでいるのを見かけたことがあるのではないでしょうか。
その中にはもちろん「レモンティー」(紅茶そのもの、あるいは風味のもの)も含まれています。

ニルギリの茶葉は爽やかな風味が特長で、水色も明るいオレンジ色であることが多いです。
また、良い意味でクセがなく、アレンジも利かせやすい茶葉でもあります。
そのため、レモンとの相性も良く、レモンティーのベースとなる紅茶として使用されます。

ニルギリの茶葉そのものがレモンの風味

ただアレンジを利かせやすいからレモンティーにニルギリが使われるというだけではありません。
実は、ニルギリの茶葉そのものもレモンに近い香りや味わいを持っているんです。

特にクオリティーシーズンの真冬に収穫され、春先に出回る高品質のニルギリは、レモンを入れていないのにレモンティーの味がするくらい、驚くようなレモンの風味を感じられることがあります。

風味はその収穫された茶園それぞれで異なってはきますが、レモンやオレンジと言った柑橘系の風味だったり、レモングラスのような爽やかな香りのハーブっぽさを感じられるのが特長です。

私のイチオシは「グレンデール」

レモンティーのような風味を色濃く感じられるのが、グレンデール茶園で収穫されたニルギリ。
グレンデールはインドの中でもトップクラスの名園で、1835年に始まるという古い歴史も持ち合わせています。
敷地内にユネスコ世界遺産に指定されているニルギリ山岳鉄道が走っていることでも有名です。

こちらの茶園で収穫されたクオリティーシーズンのニルギリは、レモンの果汁を絞って入れたかのようなはっきりとしたレモンの香味を感じられます。
一口飲んだだけで、「あれ、レモンティーだったっけ?」というくらい、レモンの風味が色濃く出ているんです。
私も本格的に紅茶の勉強を始めてから、グレンデールのクオリティーシーズンのニルギリを飲んだときはとても驚き、以来大ファンになってしまってほぼ毎年購入しています。

レモンを入れたレモンティーを飲むより、グレンデールのクオリティーシーズンのニルギリを飲む方が美味しいレモンティーって感じで大好きなんです。

ぜひ試してほしいルピシアのニルギリ飲み比べセット

ここ数年、春先の紅茶としてルピシアでもニルギリ推しが続いています。
情報解禁は3月半ば、店頭販売は4月頭くらいから始まります。
私は毎年このタイミングでルピシアでニルギリをいくつか購入しています。

2025年も言わずもがなグレンデール茶園のものを購入しているのですが、今年は色々なニルギリを楽しめる「旬のニルギリ飲み比べセット2025」というものが発売になりました。
どうしようかな…と思っていたんですが、仲良くさせていただいているショップ店員さんに激推しされたので購入してみました。

 

こちらはバイヤー厳選の、カイルベッタ、グレンデール、キルコタギリの3つの茶園のクオリティーシーズンのニルギリをリーフでセットにしたものです。
カイルベッタは15g(ウィンターフロスト)、グレンデールとキルコタギリは30gずつ入っています。

グレンデールは言わずもがなレモンティーを飲んでいるかのような風味を感じられるのですが、カイルベッタのウィンターフロストはキリッとした真冬の冷たい空気を感じられるような、柑橘やハーブに近い爽やかで上品な風味です。
流石のニルギリ名園だけあり、めちゃめちゃ美味しい。思わず余韻に浸っちゃう。

面白いのがキルコタギリで、こちらはなんとミルクティー向きのCTC茶葉(茶葉を丸めたタイプのもの)。レモンミルクティーの味わいがするというのがとても面白く、旬のニルギリはストレートだろうと思っていた私にとっては新しい発見でした。
情報解禁になった時にカタログを見た際は「どうなの?」って思っていたんですけど、ミルクティーで飲んでみたら本当に美味しくて、主人ともども大好きになりました。

3つとも同じニルギリなのに風味が全く異なるので、¥1800で名園のニルギリを飲み比べられるのはかなりお得。
店頭やオンラインショップで見かけたら、ぜひ試してみてください♪

ルピシアのグレンデールには緑茶もアリ

2025年のルピシアのニルギリの取り扱いで面白いと思ったのが、グレンデールの緑茶。
「グレンデール グリーントワール2025」というこの緑茶は、極上の中国緑茶に匹敵するくらいのフレッシュな香りと甘みが特長的です。
私も想像がつかなくて、どんな味わいか気になってしまって、今年はこちらも併せて購入させて頂きました。

率直な感想としては、ダージリンファーストフラッシュのような味わい
草木のような香りとほんのり舌に広がる甘さが、緑茶というよりは春摘みのダージリンに近い気がしました。
ホットで頂くと草木の香りが強く、水出しだとまろやかな甘さが引き立つ緑茶です。美味しい。

ファンも多いチャムラジのニルギリ

ニルギリの銘柄で忘れちゃいけないのがチャムラジ茶園。
グレンデールやカイルベッタのニルギリに比べると、柑橘系の味わいというよりは甘みの強い黒蜜やメープルシロップのような風味が特徴的(※2025年)で、水色も比較的濃いオレンジ色です。(その年によって風味が変わり、柑橘系が強く出ることもあります。)
ルピシアでも毎年取り扱いがあり、今年もオンラインショップではすでに完売状態。人気の高さが窺えますね。

1922年創設の、100年ちょっとくらいの茶園ですが、レパートリーが多いことでも有名で、今後どんな紅茶がでてくるのか、期待が高まっている茶園です。

中には”FTGFOP”(=Fine Tippy Golden Flowery Orange Pekoe)といった高品質なグレード表記がされていることもありますが、ダージリンのようなグレードとはまたちょっと別。
デイリーティーとして飲まれることが多いので、比較的手に取りやすい価格帯でもあります。

ダージリンやアッサムなどに比べると、特徴が薄くアレンジ向きと言われるニルギリ。
その多くがカット加工されてしまうため、茶葉本来の味わいを感じられる機会は少ないですが、クオリティーシーズンの茶葉の品質の良さや、各茶園の努力の甲斐もあり、少しずつ巷にもニルギリ本来の良さが浸透してきています。

真冬に収穫される春の紅茶の美味しさを、ぜひ楽しんでみてください。

コメント

タイトルとURLをコピーしました