紅茶と言えばイギリスが本場ですが、最近は「ジャンナッツ」や「フォション」、「ニナス」、「マリアージュフレール」といったフランス発のブランドや、「リプトン」「ハーニー&サンズ」といったアメリカ発のブランドなど、イギリス以外の国のブランドも広く知られるようになってきました。
紅茶は実はコーヒーよりも多く世界中で飲まれており、また近年の世界的なお茶ブームもあって、世界中から様々なブランドが次々と立ち上がってるんです。
各国で様々なブランドの紅茶商が生まれている昨今ですが、だからと言ってその国独自のブランド紅茶というわけでもないんです。
例えば、フランス発の紅茶ブランドである「クスミティー」は、実はロシアの血を色濃く引き継いだ、フランスとロシアの融合紅茶ブランドです。
創業者がロシア人で、その息子がロンドンで紅茶ショップを開店、その後ロシア店をパリに移転といったふうに、3ヶ国をまたにかけて展開していった異色ブランドなんです。
なので、“パリの紅茶なのにロシア風”な紅茶を楽しめるという、なんだか不思議な感覚になる紅茶ブランドです。
実は今回、ご縁があってそのクスミティーさんからモニター商品を頂戴することが出来ました(*^^*)
頂いたのは紅茶ではなく緑茶とマテ茶のブレンドティーの茶葉なんですけど、ずっと飲みたいと思っていたクスミティーのお茶を頂けたのですごく嬉しいです♪
クスミティーさん、ありがとうございます(*^▽^*)
というわけで、今回は頂いたクスミティーの「エクスピュア オリジナル」というお茶をレビューします。
フランス発のロシアン緑茶、フランスとロシアと日本の味わいが一度に楽しめるお茶です。
併せて、ロシアの紅茶事情についても少しご紹介しますね。
クスミティーとは
紅茶のブランドの中でもちょっと異色の経歴を持つクスミティー。
まずはその歴史と代表的な茶葉を見ていきましょう♪
クスミティーの創業はロシア、2017年に創業150周年を迎える
クスミティーの創業者は、パヴェル・ミハイロビッチ・クスミチョフという方です。名前に“クスミ”が入っているので、“クスミティー”はクスミチョフ氏の紅茶ということがよくわかります。
クスミチョフ氏はロシアの農家の長男として生まれましたが、14歳の時にお茶の商人として働くため故郷をあとにし、サンクトペテルブルグへ向かいます。
サンクトペテルブルグでお茶の商人としての才能を認められ、お茶のレシピを教え込まれ、1867年に結婚祝いとしてショップをプレゼントされました。
この時贈られたショップこそが、クスミティーの発祥です。
1867年と言えば、日本では明治維新あたりになりますね。大政奉還があった年になります(^-^)b
2017年には創業150周年を迎え、伝統あるロシアの紅茶として広く親しまれています。
ロシアからロンドン、そしてパリへと展開していくクスミティー
クスミティーは英語表記のロゴだと「KUSMI TEA PARIS」と書かれています。
発祥はロシアですが、“PARIS”=パリという表記から、一般的にはフランスの紅茶として認知している方が多いです。
ロシアなの?フランスなの?と疑問に思っちゃいますよね。
実はそうこんがらがった認知になってしまうのは、創業後のクスミティーの展開がちょっと特殊だからなんです。
クスミティーの創業は確かにロシアなのですが、創業者のクスミチョフ氏は、跡を継いだ長男ヴィアチェスラフをロンドンへと送り出します。
ヴィアチェスラフ氏はロンドンで茶商ビジネスマンとして成功し、クイーン・ヴィクトリア・ストリート11番地に紅茶ショップ“P.M.クスミチョフ&サンズ”をオープンさせます。
クスミティーのロンドン店ということですね。
その後、ロシア革命が起こり、その混乱から逃れるため、ロシア店を経営していた父クスミチョフ氏はパリにショップを移転させます。
このパリに展開したショップが、今日に至るまでの本拠点となるクスミティーになるわけです。
つまり、クスミティーはパリ(=フランス)の紅茶ショップですが、その本質はロシアの紅茶というワケですね(^-^)b
さらにその後、息子のヴィアチェスラフのショップ(ロンドン店)は、二つの世界大戦中に、ハンブルグ、ニューヨーク、コンスタンティノープル、ベルリンなど、世界各国へと展開していきます。
2012年にはフランス・シャンゼリゼ通りにクスミティーの旗艦店がオープンし、さらには2015年にブティックデジタル(無人販売機)“KusmiKiosk”がパリに登場するなど、現在でも着々と広がりを見せています。
紅茶に限らず緑茶やウーロン茶などあらゆるお茶を採用
クスミティーのお茶の特長は、紅茶に限らず、緑茶やマテ茶、ウーロン茶などあらゆる茶葉を使ったブレンドティーも展開している点にもあります。
それらのブレンドティーは、「ウェルネス」「ヒストリックブレンド」「ブラックティー」「グリーンティー」の4種類に分類されます。
- ウェルネス
心身の健康とバランスのとれた美しいライフスタイルをサポートするティーシリーズ。
デトックス効果のあるお茶が展開されている。 - ヒストリックブレンド
クスミティーの世界観を表現した伝統的なティーシリーズ。
創業者のクスミチョフ氏が考案したレシピの紅茶などが展開されている。 - ブラックティー
スタンダードな紅茶のシリーズ。(フレーバードティーも有り。) - グリーンティー
緑茶をベースにしたブレンドティーのシリーズ。
フルーツやミントなどがブレンドされた、ハーブティーに近いブレンド。
紅茶という視点では“ブラックティー”のシリーズのものになりますが、面白いのはロシア風の「イングリッシュブレックファスト」と「ロシアンモーニング」という朝の目覚めの一杯にオススメの紅茶があること。
「イングリッシュブレックファスト」はその名の通りイギリスの朝食に出される紅茶をイメージしてブレンドされた紅茶の総称です。
目が覚めるような濃い目の紅茶で、イギリスではたっぷりのミルクを加えて飲むのが通例とされています。
それと似たような“朝の目覚めの一杯にオススメ”という「ロシアンモーニング」、果たしてどちらがロシアの朝に飲まれる紅茶なのでしょう(^^)
(ちなみに、クスミティーの「イングリッシュブレックファスト」はセイロンティーとアッサムのブレンド、「ロシアンモーニング」は中国茶とほんのりチョコレートフレーバーのセイロンティーのブレンドだそうです。)
>>>クスミティー
クスミティー「エクスピュア オリジナル」のレビュー
クスミティーには様々なお茶が展開されていますが、今回私がモニター商品としてご提供頂いたのは、“ウェルネス”シリーズの「エクスピュア オリジナル」というお茶になります。
“エクスピュア”シリーズは、デトックス効果が期待されるお茶として、クスミティーの中でも人気の高いシリーズとなっているそうです。
缶いっぱいのたっぷり茶葉は125g入り
「エクスピュア オリジナル」はミントカラーが鮮やかなパッケージ。こういうミントカラー好き(*^^*)
結構大きい丸い缶に入っているのですが、開けてみるとパンッパンに茶葉が詰め込まれています。
なんだか秋の樹の下にたっぷり溜まった落ち葉みたい(^^) リスの人形とか置いたらいい景色になりそう。
密封パックではなく、普通のビニル袋に入っていて、クスミティーのロゴ入りシールで留められているだけですね。
一度開けちゃうと湿気っちゃうのがちょっと心配かも(^^;)
あと、バラバラと茶葉が溢れ出てくるのも注意が必要ですね。
クスミティー「エクスピュア オリジナル」の原材料
「エクスピュア オリジナル」の原材料は以下の通りです。
マテ茶、緑茶、乾燥ローズヒップの実、乾燥レモングラス、レモンオイル
緑茶とレモンという爽やかな味わいですね。
お茶として飲むのはもちろんですが、ゼリーにしてみたりしても美味しいかも(*^^*)
ちなみに、他のエクスピュアシリーズは、「エクスピュア アディクト」(緑茶・マテ茶・ルイボスティーをベースに、ガラナとタンポポをブレンドし、グレープフルーツの香りをつけたブレンドティー)、「エクスピュア インテンス」(緑茶・マテ茶・ルイボスティーをベースに、ハーブとパイナップルの香りをつけたブレンドティー)があります。
いずれも爽やか系の味わいっぽいですね。
クスミティー「エクスピュア オリジナル」をホットでいれてみる
早速「エクスピュア オリジナル」を入れてみます♪
まずは定番のホットティーで頂きたいと思います(*^^*)
200mLの水量に対して、茶葉の量は2~3gです。一般的な紅茶の入れ方と同じ分量ですね。
スケールできっちり図っても良いですが、スケールがなかったり、きっちり図るのが手間という方はティースプーンで量ると良いですよ。
ティースプーン1杯で約2gになります。これ、覚えておくと結構便利(*^^*)
抽出時間は3~4分。茶葉からいれる分としては一般的ですね。
ホットでいれると、やっぱり香りの立ち方がいいですねー。
緑茶の香りの中にとても爽やかなレモンの香りがして、すごく清々しい気持ちになります。
水色は黄緑色に近いでしょうか。緑茶より黄みが強いかな。
ダージリンティーを思わせるような色味ですね。
味わいも予想通りすごくさっぱりとしていて、飲み終えると喉がちょっとスーッとする気もしました。
ローズヒップの実が入っているので多少の酸味があるのかな?と思っていたんですが、酸味は全然なかったなー。
緑茶ほど日本茶!という味わいではないです。マテ茶が入っている分、まろやかな感じ。
そこにレモンのキリッとした味わいが加わって、バランスの良い爽やかさが生まれているように感じました。
クスミティー「エクスピュア オリジナル」をアイスティーにしてみた
爽やかなお茶だからアイスティーにすると美味しいハズ!ということで、アイスティーにもしてみました。
水出しではなく、ホットでいれたものに氷を加えて冷やしています。
色味も爽やかなので透明グラスや氷との相性も良いですね(^^)
ホットほどレモンの香りはしなくなりますが、味わいの爽やかさはぐっと増してとても飲みやすかったです。
水出しにしたらレモンの風味がしっかり感じられるようになると思います!
>>>クスミティー
ロシアの紅茶事情
美味しいクスミティーの「エクスピュア オリジナル」を飲んでいたら、ロシアの紅茶事情がとても気になったのでちょっと調べてみました。
ロシアの紅茶って“ロシアンティー”くらいしかイメージがなかったので、調べてみると色々と新鮮で面白かったです(^-^)
世界各国、様々な紅茶の飲み方があって面白いですね。
ロシアで飲まれる紅茶の量と栽培
ロシアと紅茶って余り結びつくイメージがないですが、意外にもロシアは紅茶大国。
一人あたりの紅茶の消費量は、世界第4位だったこともあるようで、多くの方が紅茶を飲んでいるのが窺えます。
また、北極圏に近い寒い国であるにもかかわらず、紅茶の栽培も行われてもいるんです。
2014年の冬季オリンピックの舞台となったソチがある、北コーカサスのクラスノダール地方が紅茶栽培の北限と言われています。
お茶が栽培されている範囲「ティーベルト」は北緯45度以南・南緯35度以北の範囲ですが、クラスノダールは北緯45度に位置する地域なので、もう本当にティーベルトのギリッギリの範囲に入っているということになりますね。
ロシアの紅茶は濃いめで甘い!?“ロシアンティー”の飲み方
ロシアの紅茶と言えばジャムを加えて飲む甘~い“ロシアンティー”をイメージされる方も多いかと思いますが、実はそのロシアンティー、正式なロシアの紅茶ではないことをご存知ですか?
確かにロシアの紅茶は甘くして飲むのが一般的なのですが、紅茶の中にジャムを入れるというのとはちょっと違うんです。
ロシアでの紅茶の飲み方は、角砂糖やフルーツのシロップを加えたり、果実を砂糖で甘く煮詰めたロシア風のジャムである“ヴァレーニエ”を食べながら飲みます。(ジャムを入れるじゃなくて食べながらというのがポイント^^)
何故甘くして飲むのかというと、ロシアでは、夏の間に収穫した果実を冬に温かい紅茶と一緒に頂くという文化があることに由来しているのだそうです。
日本でロシアンティーを注文するとジャム入りの紅茶が供されるのと同じように、世界各国でもロシアンティーの認識は違っているのも面白い点です。
例えばイギリスでは、ロシアンティーを注文すると、ラム酒などの蒸留酒とスライスされたレモンが入った紅茶が供されるそうです。お酒に弱い人が知らずに頼んでしまったらうっかり酔っぱらってしまう危険なパターンですね(^^;)
アメリカ東南部の方では、オレンジなどのジュースとシナモンを加えた甘い紅茶のカクテルがクリスマスティーとして飲まれていますが、これをロシアンティーと呼んでいるそうです。
また、ロシアでは紅茶を濃く抽出するのも一般的。
団らんの席には“サモワール”というお湯の入った容器があり、紅茶を飲む際はそのサモワールからお湯を加えて好みの濃さに調整します。
サモワールのある居間に集まりみんなでお茶をする、団らんの時間を大事にするというのもロシアならではの文化ですね。
クスミティー以外にもあるロシア紅茶のブランド
①L∅v Organic(ラヴ・オーガニック)
ラヴ・オーガニックはクスミティーのセカンドラインとして誕生した、ハーブティーブランド。
残念ながら日本には未上陸ですが、フランスでは割と何処でも購入できる人気ブランドのようです。
輸入販売をしているネットショップさんでは稀に取り扱いがあるようですが、なかなか見当たらないのでちょっと難しいかもしれません。
しかも輸入関税がかかっているため、フランスで購入するよりかなり高額になるみたい(>△<)
カラフルな缶に鳥の可愛いイラストが描かれていて、何個もコレクションしたくなりますね。飲んでみたいなー!
②マイスキー
言わずと知れたロシアを代表する紅茶ブランド。ロシアの紅茶と言えばマイスキーというくらい、ロシア国内外でも有名です。
日本でも輸入食品店とかネットで簡単に購入できるので、ご存じの方も多いかと(^^)
ロシアらしいデザインのパッケージのものが多く、お土産としても人気です。
紅茶以外にもハーブティーも販売されており、色々なパターンのロシア紅茶(ハーブティー)を楽しむことができます。
③グリーンフィールド
マイスキーと同じくロシアで大人気の紅茶ブランド。
日本では一部の輸入食品店や大手ネットショップなどでも取り扱いがあります。
ロシアではホテルの各部屋にサービスで常備されている紅茶として使用されているくらいメジャーな紅茶ブランドです。
というか、ロシアのホテルには紅茶がサービスで常備されているんですね。
日本だとほとんどコーヒーかお茶しか提供されていないので、私は出張とかでビジネスホテルに泊まる際は、自宅から紅茶を持っていくか、現地のスーパーとかコンビニで調達しています(^^;)
たまーに紅茶置いてくださっているところもあるんですけどね。なかなか当たらないなぁ。
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