日本で紅茶はティータイムに飲まれることがほとんどですが、世界各国では食事中に飲まれていることも多いです。
例えばパンとチーズに合わせるならフランスのようにワインを思い浮かべますが、イギリスではワインではなく紅茶を合わせるそうです。
また、イギリスの伝統的な食べ物である「フィッシュ・アンド・チップス」にも紅茶を合わせます。しかも余り高級でないものをがぶ飲みするそうです。
紅茶の成分「タンニン」が油脂分を分解する
紅茶の中に含まれる「タンニン」には、油脂分を分解して消化の働きを助ける働きがあります。
食事中、口の中に残ってしまう油分を、紅茶を飲むことで分解して洗い流してくれるので、紅茶は油モノの料理との相性がとても良いのです。
イギリスで食べられる「フィッシュ・アンド・チップス」は、白身魚のフライにポテトフライをを添えたもので、かなり油のキツイ料理。当然口の中や胃の中は油で一杯になってしまいます。
しかし、一緒に紅茶を飲むことでその油分が分解されるので、胃もたれすることなく食べることが出来るのだそうです。
天ぷら店で実証された効果
この紅茶の油を切らせてくれる効果は、日本のとある天ぷら店で実証されてもいます。
その天ぷら店では、最初は焙じ茶や番茶、煎茶といった日本茶を出していましたが、大抵の客が天ぷらを残してしまっていました。
試行錯誤の末、紅茶を出してみたところ、客が口の中がさっぱりとしていくらでも天ぷらが食べられると言ったそうです。
これこそまさに「タンニン」の油脂分分解の効果でした。
また、高級な紅茶だと天ぷらの風味を損ねてしまうので、余り高級でない紅茶を使ったそうです。この店では普通の急須と把手のない大きめのカップで紅茶を提供していたので、しばらくは客も紅茶だとは気付いていなかったと言います。
ちなみに烏龍茶も候補に挙がっていたそうですが、烏龍茶の味の個性が強すぎて天ぷらの風味を壊してしまうので出されなかったそうです。
カフェインとの相乗効果でダイエットにも効果的
油脂分を分解してくれる「タンニン」に対し、紅茶に含まれる「カフェイン」には脂肪燃焼効果があることが知られています。つまりは脂肪分解・脂肪燃焼の相乗効果で、紅茶はダイエットにも適した飲料と言えるのです。
普通、運動中に脂肪が燃焼されるには段階があり、まず「グリコーゲン」というエネルギー源が消費されていきます。この「グリコーゲン」が不足してきて初めて脂肪の燃焼が始まるのです。
一般的に、ジムなどで運動をしている程度では、グリコーゲンの消費だけで事足りてしまい、脂肪の燃焼はなかなか起こりません。運動しているのになかなか痩せない…と感じるのはこのためです。
しかし、カフェインには先に脂肪を燃焼させる効果があるので、運動する前に紅茶を飲んでおくとダイエット効果はグンと増します。
ダイエット中に油分を摂るのは推奨されませんが、どうしても摂ってしまう場合に合わせる飲み物を紅茶にすれば、脂肪の蓄積も抑えられます。
ダイエット中に糖分の少ないお茶を飲む人は多いですが、どうせ飲むなら紅茶を飲むとより効果的です。
ただし、糖分は限りなくゼロに近いものを飲むようにするのは当然としての話です。